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個人開発 · Web Application · 2026.08.30 更新

つみめし:AIと相談して作ったレシピを記録するサービス

AIとの相談で決めたレシピを埋もれさせず、参考元と自分向けの調整、実際に作った結果をつなげて残すWebサービス「つみめし」。

  • Nuxt 4
  • Cloudflare Workers
  • PostgreSQL
  • MCP

つみめし:AIと相談して作ったレシピを記録するサービス

料理を作る前にAIへ相談すると、自分の冷蔵庫や好みに合わせた案をすぐに得られます。一方で、その会話は次に同じ料理を作る頃には見つけにくくなります。以前何を代用したのか、どの商品が合ったのか、実際に作ってどうだったのかも、会話の流れの中に埋もれがちです。

つみめしは、この「相談して決めた自分用のレシピ」を、参考元との関係と一緒に残すためのWebサービスです。外部のレシピをそのまま集めるのではなく、利用者が自分で決めた材料・分量・手順と、調整した理由、作った結果を記録します。

課題:AIと相談して作ったレシピが残らない

レシピを参考にして料理を作るとき、必要になるのは元の手順だけではありません。

  • 家にある材料で置き換えたこと
  • いつもの調味料や商品に合わせて変えた分量
  • 作った結果と、次はどうしたいか

これらは、元レシピの正解を再現するための情報というより、その人が次回も自分らしく作るための情報です。そこで、つみめしでは「参考元」「自分向けの調整」「調理した結果」を別々に扱いながら、一つの流れとしてたどれるようにしました。

既存サービスの調査と、つみめしの位置づけ

2026年8月に、既存のレシピサービスとAI連携の状況を調査しました。
たとえばクックパッドでは、アプリ内のAIとの会話から非公開レシピの下書きを作成できます。クックパッドの紹介記事

一方、調査した範囲では、日本語圏で、AIとの会話を起点とするレシピ登録、参考元の明示、forkのような派生関係、AIエージェントからの操作を、一つの公開サービスで扱う例は確認できませんでした。
この調査を踏まえ、つみめしではレシピの生成そのものではなく、相談して決めた内容を利用者が確認し、参考元と調理結果を関連付けて残せることを中心に据えました。
AIからの登録・検索・調理記録は、MCPを通じた利用を想定しています。

flowchart LR
  A[参考レシピ] --> B["AIに相談して<br/>自分向けに調整"]
  B --> C["内容を確認して<br/>公開レシピとして登録"]
  C --> D["作った結果と<br/>次回へのメモを残す"]
  D --> E["次に合うレシピを<br/>見つける"]

参考元を残し、利用者の調整を記録する

外部サイトのレシピをそのまま取り込む体験は便利に見えますが、つみめしでは採用しませんでした。外部の本文・画像・動画を保存せず、参考にした場合はURLを出典として残します。

登録するのは、利用者自身が決めた内容だけです。たとえば「鶏もも肉がなかったので豚こま切れ肉にした」「いつもの塩だれを使うため水を少し増やした」といった調整を、材料・手順・変更理由として保存します。

この方針には二つの狙いがあります。一つは、第三者のコンテンツを転載する場所にしないこと。もう一つは、レシピを使う人自身の判断が、次に使える知識として残ることです。

レシピの派生・編集・調理記録を分けて扱う

レシピは、少しずつ変わります。ただし、すべての変更が同じ意味を持つわけではありません。

つみめしでは、元のレシピを参考にして別のレシピを作ること、同じレシピを更新すること、実際に調理したことを分けて記録しています。特に、派生元についてはレシピだけでなく、参考にした時点の内容まで保持します。元レシピが後から更新されても、当時どの内容を参考にしたのかが変わらないためです。

この区別によって、「今のレシピ」「編集前の内容」「参考にした時点の内容」「実際に作った記録」を混同せずに扱えます。料理を一度きりの投稿ではなく、少しずつ育つ記録として見られるようにしたかったからです。

公開したレシピが他の人にどのように調整されているかをたどれることも、派生関係を残す目的の一つです。元レシピとの違いだけでなく、そこから生まれた工夫を見える形にすることで、次の調理やアレンジの参考にできるようにします。

AI連携における確認フロー

AIとの連携では、公開レシピを検索・取得し、相談の末に決まった内容をレビュー待ちの下書きとして保存できます。下書きはそのまま公開されません。利用者がWeb画面で内容と、参考にした場合は出典を確認してから、公開レシピとして登録します。

この確認を残したのは、AIが外部コンテンツを取り込んだり、利用者の意図と異なるまま公開したりしないためです。AIには判断を補助してもらい、公開の責任は利用者が持つ。その役割分担を、画面とAPIの両方で守る設計にしました。

定番の調味料と手元の材料を分けて扱う

料理を決めるときには、「いつも使う調味料」と「いま冷蔵庫にある食材」が別の役割を持ちます。

つみめしでは、前者を好みや定番として、後者を現在の状態として分けています。「いまある材料」は数量や賞味期限を管理する在庫台帳ではなく、ある・切れているを記録する軽いリストです。

そのリストを起点に、「作れる」検索では「今すぐ作れる」と「あと少し買い足せば作れる」を分けて表示します。在庫だけで完全に一致するレシピが見つからないことも珍しくないため、そこで検索結果を諦めさせるのではなく、あと少し買い足せば作れるレシピも合わせて見せることで、次に作る料理を決める助けにするためです。

WebアプリとMCP連携から始める

最初の提供形態はWebアプリに絞りました。レシピの登録・検索・確認を一つの場所に集め、AIとの相談は、ChatGPTなどのAIアプリから直接ツールを呼び出せる連携の仕組みMCPを通じてつなぎます。

実装基盤にはNuxtとCloudflare Workersを採用し、レシピや調理記録はPostgreSQLへ保存しています。技術的な実装の詳細は、必要に応じて別の記事で扱う予定です。

現在の実装範囲と今後

現在は、Web版MVPの実装を終え、公開環境の準備を進めています。参考元を残したレシピ登録、調理記録、系譜表示、AIからのレビュー待ち下書き作成、よく使う調味料といまある材料を使った検索、いまある材料だけで作れるレシピを探す「作れる」検索までを提供する予定です。

今後は、実際に使われる中で「次に作るものを決めやすくなったか」「AIとの相談が埋もれずに再利用されているか」を確かめながら、買い物リストや材料管理について寄せられるフィードバックをもとに、必要な機能を段階的に追加していきます。

つみめしが目指しているのは、レシピを増やすことではありません。自分で試して、自分に合う形にした料理を、次の自分が迷わず使えるようにすることです。